街の電気屋さんとして自営業を営んでいます。
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45年、地域に定着したお店のお客様には多くの高齢者がいらっしゃいます。
少しでも高齢のお客様に安心して利用いただくために「認知症の方にやさしいお店」の登録しました。
登録方法や登録後の状況などをお伝えしていきます。
「認知症の方にやさしいお店」ってなに?
「認知症の方にやさしいお店」とは、名古屋市緑区の地域包括ケア推進会議内で取り組まれている活動の一つです。
高齢の方でも安心して利用できるように、お店に認知症サポーターのいるお店を「認知症の方にもやさしいお店」といいます。
くわしく
認知症の方にやさしいお店についてはこちらから
「認知症の方にやさしいお店」は名古屋市緑区独自の名称で、他の地域では違う名称で同じ取り組みをしているそうです。
例)
・名古屋市天白区「認知症の人にもやさしいお店」
・他県「認知症サポーターがいるお店」
調べてみると全国的に「認知症サポーターのいるお店」と名称が多いようです。
「認知症の方にやさしいお店」登録方法
①認知症サポーターになる必要があります。
認知症サポーターとは、厚生労働省が取り組んでいる活動の一つです。
正しい認知症の知識を知り、認知症の方に正しく接する人ことができる人を認知症サポーターと呼びます。
くわしく知りたい
認知症サポーターについてはこちらから
⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089508.html
認知症サポーターは、1日2時間程度の講座(無料)を受講することで取得できます。
認知症サポーターの講座は地域の包括支援センターで開催されているので、お住いの地域の包括支援センターに問い合わせてみてください。
②「認知症の方にやさしいお店」に登録申請を行う。
認知症サポーターの講座後、その場で「認知症の方にやさしいお店」登録申請ができます。
これで、登録完了です。
登録後の利用の仕方
利用というと語弊がありますが、登録してあることがお客様に伝わらなければ意味がありません。
登録が完了すると、包括支援センターから登録証とお店に貼るステッカーが届きます。
これは、ガラスに外に向けて張り付ける用ステッカーです。
私は、この証書をファイリングして持ち歩くようにしています。
理由
・高齢のお客様は、お店まであまり来ない。
営業で直接ご自宅を訪問することが多い。
・お店には他のポスターやステッカーが多く、他の宣伝に埋もれてしまう。
「こういった行政の仕組みに登録して、高齢者サポートを心がけているから安心してお店を使って欲しい」ことを証書をお見せしながら話しています。
具体的な活動内容
基本的にはボランティアではなく仕事が基本にあります。
かといって、「認知症の方にやさしいお店」を営利目的にすることはしてはいけないと思っています。
あくまで「高齢のお客様が安心してくれること」が目的です。
・お客様のお話を聞く
高齢のお客様にご自分のペースで話をしてもらうようにしています。
以前は「忙しいのにごめんね」とあわてて話される方が多く、本当に伝えたかったことを忘れてしまう方もいました。
高齢者に理解があるお店だとわかっていると、あわてて話されることが減ったように思います。
お客様は高齢の方だけではありません。
ご高齢のご家族がいらっしゃる方もいます。
お店へ買い物に来たついでに、困りごとを話していかれる人もいます。
・商品購入後のフォロー
エアコンやテレビは、多機能で使い方がむずかしいと感じる高齢者は少なくありません。
購入後「説明してもらったけど忘れてしまった」「何度聞いてもわからない」といったことがよくあります。
そういったときに、再度訪問して使い方を説明します。
どうしても覚えられない場合は、ご本人と相談してわかるようにメモにしたり、印をつけて使えるように工夫します。
「認知症にやさしいお店」に登録してわかったよかったこと
営利目的の制度ではないので、メリットと表現することは正しくないように思いますが、それでも良かったことがありました。
お客様に興味をもってもらえる
「聞いたことがない制度だけど、行政が取り組んでいる」ことが伝わるだけで、良くも悪くも興味をもっていただけます。
不信感や好奇心ですが、お客様の意識をお店に向けることができました。
パンフレットにのる
掲載は登録後、しばらくして無料掲載されます。
自営業など小さなお店は、嬉しいですね。
包括支援センターに相談ができる
相談とは明記してありませんが、困っている高齢者を助ける手立てを持てることは、本当に助かりますし安心感を持てます。
以前であれば、個人でできることは「だいじょうぶ?」と心配することしかできませんでしたが、登録後は何度か包括支援センターへ相談へ伺い、丁寧に対応してもらっています。
心配するだけが限界だったサービスが、解決の手段を持てることは、お店にとっても強いサービスではないでしょうか。
まとめ
この制度は総合して、行政にも個人店にもメリットのある制度だと思います。
行政のメリット
・介護保険を利用していない高齢者とつながる機会を増やせる。
・サービス次第では、介護サービスだけでなく個人店の協力を得ながらサービス提供ができる。
※見守りサービスや安否確認など
個人店のメリット
・認知症の知識を無料で得られる(認知症サポーター)
・「認知症の方にやさしいお店」「認知症サポーターのいるお店」の登録をすることで、包括支援センターへ高齢者の報告ができる。
お店個人では、高齢者お客様が認知症かどうかの判断はできません。
高齢者のお客様で、個人店が心配や困ったことは包括支援センターへ報告することで包括支援センターが判断や対応をしてくれます。
・連携協力と同時に、お客様サービスを向上させることができる。
認知症サポーターや認知症サポーターのいるお店は、自分のお店のサービス向上と地域貢献が同時にできる一石二鳥制度です。
この先、高齢者のお客様のサービスは置き去りにはできないサービスです。
安心感という意味でも、お店のサービスの一つとして検討してみてはいかがでしょうか?